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プレゼンで生きた経験

  • 井口孝司
    長崎県南島原市 秘書広報課 広報広聴班

2009年の春のこと。「クルマにもっと+α」をテーマに自動車をより便利に楽しくするアイテムや機能のアイデアを競い合う、トヨタ自動車九州主催の「第8回アイデアコンペティション」に応募しました。

新しい仕組みやアイデアを考えることが好きな私。「こんなクルマがあったらなぁ」と10年以上前から考えていたことを企画書にして、軽い気持ちで応募したのですが、1次審査を見事通過、2次審査のプレゼンテーションに臨むことになりました。

いざプレゼン! と意気込んだものの、私にとっては初めてのこと。資料作りはボリュームがあって大変だし、そもそも人前で発表することに慣れていません。広報と同じで、良いものをめざすと、どんなに時間があっても足りません。日常業務をこなした後の作業は必死でした。

そしてプレゼン当日。周りはデザイン系の学生やクリエーターばかり。私はなんと場違いな・・・・・・。それでも、とにかく熱意だけは負けないようにと思い切って臨んだのが良かったのか、結果はまさかの3位! びっくりするやら、ありがたいやら・・・・・・。

プレゼンの機会を与えてもらえて本当にラッキーでした。評価してもらえたことはもちろんですが、それ以上に良かったのは、広報とは違った「表現」の世界を経験できたからです。

広報は基本的に、不特定多数の人に対して行いますが、プレゼンは相手が決まっています。事実を伝えることが目的の広報に対して、プレゼンは相手を説得することが主眼になります。

異なる両者ですが、その過程は驚くほど似ていました。「分かりやすく、簡潔に」、そして「そのためにどんな工夫をするか」。相手を引きつけるタイトルや見出しの付け方は、図版は何か必要か――プレゼンの資料作りに、普段、試行錯誤しながら実践しようとしている広報での経験が生きてきたのです。

と同時に、表現することを通じて、「広報」を別の角度から眺めることができました。今回の経験を通じてあらためて気付いたのは、相手を意識してつくるのと、そうでないのとでは、出来上がりに差ができるということ。これも、プレゼンと似ているところでしょうか。

 

いのぐち・こうじ

1971年生まれ
1990年4月 南有馬町採用
2006年3月 合併により南島原市へ
農林、給与担当などを経て、2008年4月から広報担当

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