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広がり続ける「広報力」空間~広報コミュニケーションの近未来を探る Vol.9

何が広報を拡張するのか
~コミュニケーションの未来は目の前にある

本記事は、月刊「広報」連載「広がり続ける広報力空間~広報コミュニケーションの近未来を探る」から一部を抜粋したものです。

  • 吉村潔
    エディター

“対話と参加”の地域づくりに向けた広報の役割

広報活動のあり方として、「お知らせから、対話型の広報へ」とよくいわれる。実際そのとおりなのだが、お知らせ自体が不要というわけではない。“お知らせのとりまとめ(調整)”に多くの時間をさかれ、そこに終始してしまうことが問題なのである。

自覚的な広報担当者は、パブリック・リレーションズ本来のあり方を実践すべく、積極的にまちへ、住民や関係者の元へ足を運ぶ。同時に、理念と行動だけでなく、コミュニケーション力(構想力やスキル)を磨かなければ読者に伝わらないことも理解している。

こうした行政広報がリレーしてきたのは、住民(読者)との対話を通して、共感→アクション(参加)をめざす広報といえるだろう。

自治体が策定した総合計画や総合戦略でも、住民参加は重要な柱に位置づけられている。NPM(ニュー・パブリック・マネジメント)のもと、財政再建や効率化を追求してきた自治体にとって、住民の理解・協力なしに新たな一手を打ち出すのは容易ではないはずだ。そして、行政広報は地域協働や住民自治の実現に向け、大きな役割を果たそうとしている。

 

広報・広聴活動の成果を政策にフィードバック

広報パーソンは、周知を目的とした情報であっても、「新しい制度や条例が地域社会のあり方、住民生活にどう関わってくるのか」という視点をもって広報するようにしたい。

そのためには、担当課から掲載依頼された原稿を多少リライトする程度では済まされず、住民目線で疑問点をヒアリングし、読者が“自分ごと”として受け止める発信力が必要だ。

また、庁内の情報を待つ“受け身の広報”にとどまってはならない。こちらから広報プランを提出し、庁内組織の協力を促す。そして、広報・広聴活動を通して得た地域の多様な課題、可能性を庁内組織にフィードバックし、政策づくりに反映させる強い意欲をもとう。

 

※記事の全文は、月刊「広報」2016年7月号でお読みいただけます。

よしむら・きよし

1953(昭和28)年生まれ。企業PR誌、会社案内、アニュアルレポート、統合報告書、CSRレポートなど、上場企業の広報メディア制作に長年携わる。専門は、広報紙やグラフ誌の企画・取材、原稿執筆、レイアウト・デザインなど編集全般。全国広報コンクール広報紙部門・写真部門審査委員。月刊『広報』では「議会広報の改革はどこまで進んできたか」を連載(2014年)。

 

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