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広報の目 - 最新エントリー

広報の目 by もんじゃ郎 Vol.33

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Column
執筆 : 
もんじゃ郎 2010-2-22 9:35
列車の写真撮影を趣味とする「撮り鉄」と呼ばれる鉄道ファンが、お座敷列車の「あすか」を撮影しようと線路内に立ち入り、列車のダイヤを乱したという記事があった。電車で通勤していると、駅でもない所に突然停車して、線路内に人が立ち入ったため安全確認中であるというアナウンスに出会うことがある。ものの5分も停車するだけで、携帯電話で連絡を取る人が出てくる。日本の鉄道は時間が正確であることを誇りにしている。鉄道ファンと言われる人たちの中には、時刻表と首っ引きで乗り継ぎを楽しんだり、鉄道旅行の楽しさを写真やスケッチで表現したり、車両の歴史や構造について専門家はだしの知識を蓄えている人も少なくない。列車の写真撮影には、まず安全で、しかも迫力のある撮影ができる場所を選ぶことにこそ時間をかけるという「撮り鉄」もいるはずだ。恐らく今回の報道にあるような「撮り鉄」には自分の趣味に誇りをもっている鉄道ファンが一番腹を立てているのではないか。

趣味の世界にはこれと似たようなことがよくある。例えば犬を散歩させるときのフンの問題。犬の散歩コースや時間帯は概ね決まっている飼い主が多いようで、したがってお互いに顔を会わせることも多く、それぞれ処理用のふくろを下げて散歩を楽しんでいるように見える。しかし稀にではあるが、寒い小雨の日の翌朝などに、放置されたままになっているのを見かけることがある。犬の好き嫌いにかかわらず不快感を覚える人が多いと思うが、特に愛犬家は居たたまれない気持ちになるのではないか。湿原といわれる景勝地や人気の高い登山、トレッキングコースなどでも似たようなことがある。自然が嫌いだという人はいないかもしれないが、わざわざ苦労をしてまで登山にでかけようとは思わない人はいる。そういう人は少なくとも山を汚したり、山の動植物を徒に傷つけたりすることはない。そういう人の目からすれば、富士山が世界遺産に登録されなかったのは、富士登山を趣味のようにしている人たちに責任があるように見えるかもしれない。これは登山愛好家にとって耐え難い屈辱だろう。

この種の問題は趣味の世界に限ったことではないかもしれない。同列に扱うことには多少違和感があるかもしれないが、介護施設や障害者施設で必死に頑張っている施設関係者にとっては、同種施設でいじめとか虐待の報道を見たり、聞いたりすることは大変な苦痛に違いない。自分の取り組んでいる仕事を、同じ仕事の仲間と見られている人に穢されるほど辛いことはない。更に飛躍することを許していただけば、この日本を少しでも明るく、公平で、住みやすい国にしようという信念から政治家の道を選択したはずであるにもかかわらず、政治活動の基盤ともいうべき資金の問題でその姿勢を問われる仲間が出てくる現状を、有権者の失望は当然のことながら、政治家自身どのように受け止めているのか。政治家は多かれ少なかれ公にできない資金集めの事情があるなどと勘ぐられたくないのであれば、もう少し歯切れのいい、真剣な議論を国会の場で戦わせることがあってもいいのではないか。

広報の目 by もんじゃ郎 Vol.32

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Column
執筆 : 
もんじゃ郎 2010-2-12 9:41
国会議員は、「政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律」の規定により、当選の日から100日以内に資産等報告書を所属する議院の議長に届け出ることとされている。この制度は、「国会議員の資産の状況等を国民の不断の監視と批判の下におくことにより、政治倫理の確立を期し、もって民主政治の健全な発達に資する」ことを目的としている。別の言い方をすれば、国会議員が政治活動によって不当な蓄財をすることがないように、国民に監視する手段を担保するという制度である。当座預金、普通貯金は除くことになっている。したがって現金で保有していれば報告の義務はない。というか、虚偽の報告をしても罰則があるわけではないから、もともと義務を課すような制度にはなっていない。罰則を課してまで報告を義務付ける性格の問題ではないということなのかもしれない。それ以上のことは、報告する政治家に任せておいても、この制度が十分「民主政治の健全な発達に資する」ということなのだろう。

この法律の規定によって今回公開された資産等報告書によれば、民主党幹事長の資産は2億円弱。土地、建物、有価証券など併せてこれだけの資産の人が、必要に応じていつでも用立てられるようにということで手元に4億円の現金を置いておく。政治活動の用に供する土地を購入する際に一時立て替えることはあったが、その後直ぐに関連する政治団体の方から返却されたということだから、今も恐らく現金の形で個人事務所に保管されているのだろう。資産としての報告を求められない当座預金や普通貯金で保管する方が安全のような気もするが、政治活動には現金である必要があるのかもしれない。いや、政治活動に必要ということであれば、多少の時間はかかっても関連する政治団体から4億円くらい集めることはできる。何も個人の資金を、利子もつかず、安全性にも問題のある方法で保管しておく理由はない。むしろ銀行を利用すれば金銭の出入りは記録されるし、経理担当者が関与するようなことがあったとしても、その事務的な負担はかなり軽減されるはずだ。などと単純に考えてしまうが、政治活動には一般国民の考え及ばないことがいろいろあるのだろう。

政治を目指す人たちの中には、自分なりに尊敬する政治家像を描いてそれに近い政治家の指導を仰ぐという人もいる。単にその政治家の政治信条とか政策に共感するというだけではなく、その人の生活振りなり日常の活動についても学ぼうと心がける。まして歴史的な政権交代を成し遂げた政党の実力者ともなれば、直接その指導を受けたいと願う若手の政治家も少なくないだろう。選挙を勝ち抜いてこそ一人前の政治家であり、多数を制してこそ責任政党としての役割を果たすことができるという考えも、あながち否定することはできない。しかしいくら政治に金がかかるといっても、個人資産の2倍にも及ぶ現金をいつでも融通できる状態にしておくことが実力政治家の要件であるというような思い違いはしてほしくない。そこまで金のかからない政治をどうしたら実現できるかということにこそもう少し本気で取り組んでもらいたい。そのためには、多額な金銭の出入りまですべて秘書任せにするのが実力政治家の度量だというような錯覚に陥らないことが基本的に必要ではないか。

広報の目 by もんじゃ郎 Vol.31

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Column
執筆 : 
もんじゃ郎 2010-2-1 9:27
四半世紀以上も前にスイスのジュネーヴを勤務地としていた仲間の会合が毎年1月に東京で開催される。特別の事情がない限り夫婦揃って参加する。この日以外にはめったに顔を合わせることのない人たちが少なくない。それでも、ジュネーヴ在勤当時は家族ぐるみの付き合いが普通で、スキーやゴルフなどを含めたいろいろな会合で顔を合わせる機会が多かったためか、話し込むとつい長くなってしまう。土地柄から、在外公館の職員以外に、国際機関、金融、観光、通信関係など多様な職種の人たちが集う。

既に現役の仕事からは離れて、大学やNGOで活躍している人もいれば、趣味を生かした生活を楽しんでいる人もいる。そんな中で現役の裁判官と話をする機会があった。何かマスコミで話題になっているような事件に関連した苦労話でも聞いてみよう、と思った。ところが今、彼にとって一番気がかりなことは裁判員制度の問題だという。これまで裁判員制度で扱われてきた事件は犯罪の事実関係がすべて確定していて、量刑をどうするかという事件だけだったが、今年からは証拠に基づいて事実関係をどう判断するかという事件も扱うことになるのだという。しかし証拠に基づいた事実関係の認定は、経験も知識も備えた専門家の仕事であって、素人の裁判員に委ねられるべき性格の仕事ではないでしょう、そこまで一般国民の感覚を参考にするということになるのであれば、裁判官は裁判員に対して、証拠の持つ意味合い、疑問点などを説明した上で、自身の判断も参考提示せざるを得ないのではないか、と聞いてみた。そこが難しいのだという。結論を誘導するような説明をしてはならないことになっているから難しいのだという。

確かに重大事件で状況証拠と自白だけが証拠とされる事件も少なくないようだ。しかも裁判の過程で自白の任意性が疑われるような事件も出てくる。取調べの可視化を図るべきだという議論もよく聞かれるようになった。マスコミの報道が先行して裁判所の判断に違和感を抱かせるようなケースもある。検察審査会の意見で強制的に起訴される事件もあった。情報が錯綜し、居住環境や家族構成が変化し、生活に関連する制度の仕組みが複雑化するとそれにつれて犯罪も多様化してくる。犯罪の多様化と情報化社会の進展に伴って国民の感覚と裁判所の判断との間にずれを感じさせる事例が出てくるのはやむを得ないことかもしれない。裁判員制度には、この種のずれをできるだけ少なくするというねらいが大きな役割の一つとして期待されているはずだ。別の言い方をすれば、この裁判員制度は、必ずしも事実関係の判断をより真実に近づけようという考え方に立つものではない。場合によっては、裁判官がその任務に忠実であろうとすればするほど、自身の知識経験と異なる結論を導き出すことも起こり得る。いずれにしても、制度運用のあり方にもよると思うが、国の根幹ともいうべき裁判に対する国民の信頼がより揺るぎないものとなることを期待したい。

話はずれてしまうが、帰りがけの雑談で、最近テレビに登場する政治家には随分弁護士出身という肩書きが目に付く、ということが話題になった。言われてみれば、確かに弁護士出身の政治家が多くなったような気がする。政治の世界だけではなくバラエティー番組などでもよく見かけるようになった。一種の社会現象だろうか。

広報の目 by もんじゃ郎 Vol.30

カテゴリ : 
Column
執筆 : 
もんじゃ郎 2010-1-21 16:00
政治には金がかかると言われる。そう言われる中で政治を目指して苦労をしている人たちが沢山いる。素直に考えればそれだけわが国には国家国民のために貢献することを使命と考えて、日々政治活動に励んでいる人たちがいるということになるのだろう。金銭には代えられない達成感があるのかもしれない。確かに選挙に当選した人たちの映像を見ているとそういう雰囲気が伝わってくる。当選した本人だけでなく、支援者の喜びようも相当なものだ。しかし選挙に勝つことは職業政治家としてのスタートに過ぎない、はずだ。政治家を受験生に例えるのは失礼かもしれないが、受験にも金がかかるし、目指す大学に合格したときの達成感にも似たような雰囲気を感じる。大学生になって、より高度な学問を身につけるのか、資格の取得を目指すのか、学生生活を満喫するのか、いろいろあるだろう。政治家の場合には公約の実現ということになるのだろうか。

このところ政治と金に関する話題がマスコミを賑わせている。政治に金がかかるというのは選挙のときに限らない。政策の提言、選挙民の意向把握、政治動向に関する情報収集などのためにはそれなりの経費がかかる。それだけの経費をかけてする政治という職業は一体どのようなものなのだろうか。昔学生の頃読んだ本の中に確か「職業としての政治」というのがあった。何が書かれていたのか全く記憶にないので改めて読んでみた。マックス・ウェーバーが第一次世界大戦直後の1919年に行った講演である。フランス、イギリス、アメリカそしてドイツの事例を示しながら、政党政治が育ち、議会制民主主義が成立する過程などを踏まえて、政治とはいかなるものであるかを説いている。その冒頭部分で「政治とは、国家相互の間であれ、国家に含まれた人間集団相互の間でおこなわれる場合であれ、要するに権力の分け前にあずかり、権力の配分関係に影響を及ぼそうとする努力である」と言い切っている。更に読み進めると政治家に求められる資質として、情熱、責任感、判断力があげられ、特に判断力にとって決定的に重要なことは、「事物と人間に対して距離を置いて見ることである」と説いている。このことは、政治がその背後に必ず正当化された暴力装置をもって権力を行使するという属性を有するものである以上、心情的な倫理とは常に緊張関係を保ち続けなければならないという議論につながってくる。政治を天職とする人間であるためには、「世の中で不可能事を目指して粘り強くアタックしないようでは、およそ可能なことの達成も覚束ない」と結んでいる。

政治には金がかかるというような話は出てこなかったが、政治が地域の名望家の手から政党実務担当者、経験者の手に移っていく過程では、政党活動を広げるためのマシーンが有効に機能し、資金集めにも貢献したというような記述もあった。政治資金集めにはどこの政治家も熱心なようだから、一般にどこの国でも政治には金がかかるのもののようだ。いずれにしても、ウェーバーの指摘を待つまでもなく、政治と権力は切り離せないものであり、職業政治家は情熱、責任感、判断力を備えた指導者でなければなない。職業として政治を選択した以上、権力の行使は決められたプロセスに従って、堂々と行うべきである。選挙民から見え難い形で権力を行使し、政治資金を調達するようなことは好ましいことではない。

広報の目 by もんじゃ郎 Vol.29

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Column
執筆 : 
もんじゃ郎 2010-1-12 9:50
平成22年度の予算編成は、報道されたように、例年とはかなり様変わりしたものとなった。毎年繰り返されてきた年末の恒例行事ではあるが、中央官庁、特に公共事業予算を多く抱える省庁への陳情の景観が一変した。ロビーや喫茶室が閑散としている。自民党本部と違って民主党本部には人の列。といっても予算時期の陳情団にしてはかなり控えめだ。地方の陳情は、民主党の県連を通じて、幹事長室が一手に引き受ける仕組みになったというから、こういうことになるのかもしれない。

だとすると、これまで一年で最も忙しかったはずの自治体の東京事務所には何か変化があったのだろうか。というより、本来、自治体の東京事務所はどういう仕事を担当する組織なのだろう。どこの自治体にも共通した組織だから、恐らくその設置や業務に関する規定はかなり類似したものになっているのではないか。であればその代表格ということで、大阪府東京事務所規程という訓令を検索してみた。第二条に所管事項という規定がある。
第二条 事務所は、本府と国会、内閣、各省庁その他関係機関等との連絡調整を強化し、本府の行政運営を促進するため次に掲げる事項を所管する。
一 本庁からの指示事項の処理に関すること。
二 国会、内閣、各省庁その他関係機関等との連絡調整に関すること。
三 府政に関連のある情報の収集及び発信に関すること。
四 企業等の誘致に関すること。
五 出張者の用務に対する協力に関すること。
(平一一訓令二・平一九訓令五・一部改正)

この規定を読んで東京事務所がどういう仕事を担当する組織なのかイメージできる人はいない。少なくともお役所の関係者以外では理解できない。そこで大阪府のホームページを調べると東京事務所が政策企画部に所属し、主な業務として
・情報収集・情報発信及び連絡調整
・国の施策並びに予算に関する要望活動の支援等
・栄典等その他の事務
・企業誘致等の推進
・情報発信
を担当しているということが分かる。このうち予算、栄典というのは、元の訓令には明記されていないが、業務内容は国に対する陳情である。直接東京事務所の職員が出向くこともあるかもしれないが、多くの場合、本府出張者のアポをとり、会見の段取りをアレンジするということになるのではないか。最後に情報発信とあるが、東京事務所が自前のWebsiteを運営しているということではない。情報発信の専門要員がいて、例えば、観光やイベントの案内をするとか、アンテナショップの運営に関わっているということでもないようだ。具体的な業務内容ははっきりしない。

一般にどこの東京事務所長も、組織の中では、かなり重要なポストとして位置づけられている。それだけ国への陳情が重視されてきたということだ。確かに民主党の陳情処理システムは変わったが、今後とも変わらないということではないし、仮に大きく変わることがないとしても、岡山県知事のように今後とも中央官庁とのパイプの維持が重要だという自治体の首長もいる。いずれにしても、陳情の拠点的な意味合いの強かった東京事務所のあり方を情報発信、情報交流にウェートをおいた運営にシフトさせる時期に来ていると言えるかもしれない。


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