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Net de コラム Vol.5

ブランドづくりの心得

ここ数年、「強いブランドは長期的な利益をもたらす」といわれ、企業、商品から地域まであらゆるところがブランドをつくり、ブランド力を高めよう、強化しようと懸命になっている。

確かに、強いブランドは、高価格で売れる、消費者に寛容に受け入れられるなど、たくさんの利点がある。生活者はブランドを、単なるモノではなく、生活の資産と位置づけているからである。

では、どのようにすればブランドがつくれるのだろうか。ブランドは人と人のコミュニケーションによってできあがるものだ。現代は生活者がメディアを選び、自分の都合や状況にあわせて情報や資料を請求する時代。よって一時的、一方的な情報の提供はほとんど意味をなさず、パッケージから広告ツール、新聞等に掲載される記事、顧客サービス、電話対応など、生活者との接点のすべてが一貫している必要がある。そのためにはブランドを管理する側の人間が同じ哲学をもち、その方向性を理解して、いかなる場合でもブランド本質を伝える努力をしていることが肝心なのだ。商品を手に取ったとき、接したとき、それをつくった人の心が伝わるようなコミュニケーションが求められている。

人はみなより良い生活をしたいと考えているし、物質面の欲求だけでなく、心の満足や社会の賞賛を欲している。企業や行政は、絶えず生活者がどの方向に向かっているのかを見据えながら、その先を行く提案をしていかなければならない。

たなかりさ

(株)宣伝会議 月刊宣伝会議 編集長。日本広報協会広報アドバイザー。1966(昭和41)年生まれ。広告会社勤務を経て現職に

 

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