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表現発想を考える基本

  • 長岡 光弘
    グラフィックデザイナー

表現発想を考える基本「だれに向けて」

「もの」をつくる動機の一つに、自分に向けて・相手に向けてと、頭の中で「だれに向けて」を無意識に考えていることが多い。特に相手がある場合、喜んでいただくにはどうしたらよいのか? 相手の顔を思い浮かべ、いろいろと思案する。半面、仕事となると、様々な条件下での制作は、忙しさとあいまって「だれに向けて」をついなおざりにすることが多い。この「だれに向けて」、つまり表現面で言い換えると「相手の身になる」が、広告・商品開発活動において、発想と表現の要(かなめ)であるというのが、私の制作物を考える基本となっている。

目を街に向けると、様々な商品と広告が、「だれに向けて」「相手の身になる」を良く考え、あの手この手の方法を用いて、私たちに分かりやすく魅力的に発信されている。その意味で、表現者にとって街は様々なことを学べる参考書と言える。

さて、広報はどうであろうか。研修会での参加者、企業の広報担当者などから「どうしたら訴求効果のある広報物ができるのか」と、よく相談を受ける。そんなときは、視覚表現面でのスキルとテクニックの話ではなく、「相手の身になって考えてください」と答えている。それは「だれに向けて」と「相手の身になった表現」を、よく考えて欲しいと願うからである。

例えば、訴求情報が同じでも児童と高齢者に向けての広報では、おのずと表現が異なる。「自分が○○であったら?」と自らを問いかけ、発想と表現面を考えることが大切である。そのことにより、児童や高齢者に向けて、一歩踏み込んだ表現が可能となる。相手の立場で発想することにより、企画・アプローチの方法、表現の切り口・メディアの選択も違ってくる。

「だれに向けて」と「相手の身になる」は、様々な知的所有権を用いる広報活動においても、リスクの回避に役に立つ。権利関係を把握し、相手の立場に立った用い方であるかのジャッジができるからである。

一見、当たり前のことであるが、表現者として「だれに向けて」つまり「相手の身になる」は、いつも心に刻み込んでおきたい、大切な表現のキーワードと思っている。

ながおかみつひろ

1951(昭和26)年生まれ。(株)ジャパンフラフィックスデザイナーなどを経て現職に

 

情報や意思を伝達することは、行政・民間を問わず人間の基本的なコミュニケーション作業です。

組織の中で、一番の矢面に立つ「広報セクション」は、いわば最も人間的なコミュニケーション能力が必要になると言えます。情報を受け取る相手の立場に自分の視点を置き、自分と相手の理解度を均等になるよう情報を伝えることは、広報業務の基礎であると言えます。

平成18年6月8~9日に京都市で開催される「広報基礎講座」では、今回ご寄稿いただきました長岡光弘氏によるデザイン・レイアウト講義から、企画立案、文章表記、写真撮影、印刷会社とのスムーズな意思疎通まで、広報メディア作成における基礎的なファクターを重点的に講義致します。

広報の現場に初めて足を踏み入れた方から、いま一度広報の基礎を習得したい方まで、幅広い皆様のご参加をお待ちしています。

 

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