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『劇的!長崎市長選 3日で田上市長ができるまで』

短期決戦の中で田上市長をつくりあげた“市民力”

『劇的!長崎市長選 3日で田上市長ができるまで』
  • 著者:カーラ・マリ
  • 発行:(有)ザ・ながさき
  • 発刊:2007年9月
  • 価格:1,000円(税込み)
劇的!長崎市長選 3日で田上市長ができるまで 表紙

2007年4月22日深夜、長崎市は“劇的”ともいえる選挙結果に揺れた。選挙期間中に銃撃されて死亡した前市長の後継を巡る弔い合戦で、元市職員の田上富久氏が、前市長の親族を僅差で破り当選したのだ。本書は、田上氏が立候補を決意してから当選するまでの数日間を、臨場感あふれるドキュメンタリー風に記録したもの。

著者のカーラ・マリ(川良真理)さんは、「長崎さるく博」などを通して以前から田上氏と親交のあった人物。実質的に3日間しかなかった選挙戦の中で、田上氏と彼を取り巻く人々が何を思い、何をしてきたのか。ここには、著者も含めて選挙のプロとは言い難い人たちが、超短期戦の中で多くの市民を巻き込みながら田上市長をつくりあげていくまでの奇跡が描かれている。本書の出版案内には「手に汗握る本編」と紹介されているが、全ページを通して感じたことは、“自分たちの市を自分たちの手で”というしたたかでさわやかな前向きさと、きっかけはさておき、こんな選挙があったほうがいいという思いだ。

田上氏は、広報課在席時代に「一人一人が自分のまちをよく見て、何ができるかを考え、工夫することが広報のおもしろさだと思う」と話していた。あれから数年。市長となった彼は、本書巻末のインタビューで「自分にできることはないかな?と考える人が多いのが元気なまち」と語っている。読後感としてのさわやかな明るさは、こうした長崎市の“市民力”の一端を本書が伝えてくれていることにもあるのだろう。願わくは数年後、「よ~い、トン!」でスタートした田上市長と市民力の軌跡を伝える続編を期待したい。

 

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