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まちの情報BOX東郷

町民自身が育てる地域ポータルを目指して

「まちの情報BOX東郷」(愛知県東郷町)
  • http://www.itownbox.jp/togo/ (2015年3月31日閉鎖)

東郷町では2004年8月から、役場だけでなく、学校や商店、企業など、町全体の情報を提供する地域ポータルサイト『まちの情報BOX東郷』を開設している。地域における新たなコミュニケーション手段として期待される同ポータルサイトだが、行政側がすべてお膳(ぜん)立てするのではなく、町民自身が管理・運営するサイトを目指しているのが最大の特長。現在、そのための組織づくりを進めている。

 

e-デモクラシーの実現と地域再発見

町では2001年に、町民に対するアンケートやシンポジウム、庁内ヒヤリングなどを通じて「地域情報化計画」を策定。その中で、2003年度に実施すべき事業として「情報提供システム」の構築を掲げた。

企画情報課の加藤久登さんは、「まちの情報BOX東郷」開設のねらいとして、まず、「e-デモクラシーの実現へのアプローチ」を挙げてくれた。

「地域情報化において重要なのは、高額なインフラ整備や目新しいシステムの導入ばかりではありません。そこには、新しいコミュニケーションの確立と、まちづくりへの市民参画の推進が欠かせません。いわゆるe-デモクラシーの実現です。単に電子会議室を開くだけでは駄目で、市民側も行政側も、相手に伝える『コミュニケーション』自体をもっとうまく使い、そこに道具としてITや電子会議室を利用する必要があるのです。

一方的に市民側が『赤だ!』『白だ!』と発言するのではなく、いったん市民側で意見をまとめる場所として、市民自身が運営するフィールドが必要です。比較的自由度があり行政も一個人として参加でき、市民側もそれを一担当としての意見ととらえることで建設的な議論ができる場、です。そのため、『まちの情報 BOX東郷』では、運営やコーディネーターを市民側で行って、単なる行政攻撃ではなく、協働へ向けた市民参画のためのルートをつくろうとしているのです」

さらに、「まちの情報BOX東郷」は、「地域再発見」としての役割ももつ。名古屋市に近い東郷町は近年、ベッドタウンとして栄えてきた。古くから住む人と、いわゆる新住民の割合が変化しつつある中で、新しいコミュニケーション手段の必要性が高まっていた。

「東郷町はとかく知名度が低くこれといった特産もない平凡な町。しかし、名古屋市近郊で緑も多く、シンボルでもある愛知池からは、あの『プロジェクトX』でも紹介された愛知用水が流れており、レガッタの開催や憩いの場として開放され、今年は全国市町村交流レガッタも開催されます。平凡であることは負ではなく、事件や事故も少なく住みやすさからはプラスの要素もあります。地域住民が町を見直すことで、地域のいろいろな情報を再発見できると思います。自分たちの地域情報を自分たちの手で手軽に発信することで、新しい地域コミュニケーションの一つとなり得るでしょう」(加藤さん)

 

「完成品」ではなく「未完成品」

「まちの情報BOX東郷」の基本機能は、「地域情報のデータベース化」「コミュニケーション手段としての電子掲示板」「映像を使った分かりやすい情報発信」の三つ。ウェブサイトには、住民同士で情報交換できる「なんでも掲示板」、投稿写真を募る「写真投稿掲示板」、町の地図を活用できる「タウン検索」、レガッタのレースを動画で楽しめる「レガッタダイジェスト」などがある。

「地域ポータルといってもいろんなパターンがあり、自治体規模や地域特性などに見合ったものをつくることが大事です。本町の場合、エリアが狭く、3万8,000人という人口なので、より地域性の高いものを目指しています。例えば、住民一人一人に情報提供者として参加していただきます。そのため、お店などの情報もこちらで調べて載せることはせず、商店主や、町民自ら情報発信してもらいます。

このポータルサイトは、中身ができて公開ではなく、未完成です。スタート地点は未完成ですが、住民の力でこのサイトの内容を充実させ、新しく生み出していくイメージです」(加藤さん)

「まちの情報BOX東郷」は、総務省の「地域情報化モデル事業交付金」の適用を受けて開設された。また、仕組みづくり(システムの構築)は、地域ポータルを手掛けるNPOと地元のIT関連企業が共同で行った。

「管理・運営は町民の皆さんにお願いしたい。今後、利用方法について検討する町民組織を立ち上げて、その中で決めていきたいと考えています。地域の人々が必要と思うことを発信する場にするため、住民が記者となり、編集者となり、自分たちの地域に必要なサイトに育てていきたい」(加藤さん)

 

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タウン検索
タウン検索は、インターネットで利用できる町の地図情報。今後は、ウェブGIS(インターネット技術を応用した地理情報システム)のレイヤ(階層)を学校や商店、サークル活動などに開放することで、地図を利用した新しい情報発信やコミュニケーションの可能性が期待される。管理できるレイヤは6万以上。郵便局(例えばポスト位置の管理など)や警察、消防などの関係機関が専用レイヤを設けることもできる。また、学校では総合学習の題材や校区発信などにも活用でき、情報を発信することの学習も期待できる。さらに、個人が自分のレイヤを持ってパスワードで仲間と利用することも考えられる。 タウン検索
東郷ボートWeb
「愛知池ライブ中継」「ボート百科」「レガッタ交流広場」などボートに関するコンテンツが満載の「東郷ボートWeb」は、東郷町役場スポーツ課の監修のもとで、「まちの情報BOX東郷」運営委員会・東郷ボートWeb担当チームが作成している。 東郷ボートウェブ

(2003年掲載)

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