『人力検索はてな』は、知りたい情報や疑問をネット上から質問し、質問に関連したアドレスをその情報に詳しい人が答えるという電話番号案内型の検索サイト。質問が書き込まれてから数分で反応があり、多いときには1時間で十数件の回答書き込みがある盛況ぶりだ。
「はてな」には、この検索エンジンシステム以外にも、現在のブログブームの発端となった「はてなダイアリー」や、自分が興味を持つテーマを扱っているブログやホームページの更新状況を自動的にチェックしてくれる「はてなアンテナ」などの人気コンテンツがある。
はてなダイアリーにはユニークな機能があり、ダイアリー中の言葉をキーワード化することで共有の辞書のように使うこともできる。キーワードの語句説明はユーザーが任意に記載するため、調べたい、知りたい情報分野を特定している人ならば、通常の検索エンジンよりも詳細な情報を知ることができる。同じキーワードを使用しているユーザー同士をつなげるコミュニティ機能も充実している。
「ウェブコミュニティは生活を豊かにするツール」
近藤淳也/株式会社はてな代表取締役
「『はてな』の運営方針は、人の生活を豊かにしたいということです。家に帰って毎晩2時間くらいテレビのバラエティ番組を見る人が、そのうち1時間を使って 1日の出来事や読んだ本、聞いた音楽などについて書き留める。その書き込みについていろいろな人が反応を寄せる。そんな文化的な活動を促すためにインターネットを使い何かできないかという考えのもと、『はてな』を運営しています。
『はてなダイアリー』『はてなアンテナ』など、コミュニティサイトとしての『はてな』は、費用をかけた外部的なPRを一切行っていません。『はてな』ユーザーの登録者数は、すべて口コミから広まっていったものです。『はてなダイアリー』ではオープンさせる前に、試験としてベータテスト版を公開し、テストユーザーを募り実際に機能を使用してもらいました。そのときに寄せられた苦情などのユーザーの声を、サイト上に掲載し、その日のうちにシステムを改善するという姿勢を貫きました。結果的に、そうしたユーザーへの対応が『はてな』に対する信頼性、親密性を高めたのではないでしょうか。
サイトを運営する側が問題を抱え、内密に処理しようとすると必ず破たんが生じます。ユーザーと問題を共有し、可能な限り素早く解決する。それがコミュニティサイト運営の基本であり、最も重要なポイントだと思います」
トップページ |
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寄せられた質問の週刊アクセスランキングが表示され、ユーザーの注目を集めている質問が分かる。 |
はてなダイアリー |
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「はてなダイアリー」の利用者は約8万人。国内のブログサービスサイトでは最大規模。 |
(2004年掲載)