
自治体広報トピックス
まちの個性や魅力を感じられる市庁舎
長崎市
公開日 : 2025年9月25日
長崎県長崎市の長崎市役所。2023年1月に開庁した市庁舎1階の情報発信コーナーには、長崎市発祥のものがユニークなかたちで紹介されています。回転式クリップボードの名前は「長崎市のいちばん集めました」。イラストなどが描かれたボードを回すと、その発祥に関する解説を読むことができます。「ちゃんぽん」や「カステラ」などよく知られたものから、「バドミントン」などの意外なものまで、その数36個。知れば知るほど、周りに自慢したくなるものばかりです。
さまざまな〝いちばん〞に「これも長崎だったの!」の声
情報発信コーナーがあるのは、手続きや相談などで多くの市民が来庁する1階のエントランス付近。コーナーには「長崎市のいちばん集めました」のほか、長崎の自慢を八つのブースで紹介した「えっへん!NAGASAKI」や、長崎市の旬な情報をデジタルサイネージで伝える「新旬NAGASAKI」もあります。
鎖国時代から西洋に開かれていた長崎には、長崎が発祥のものやことが多くあります。回転式クリップボード「長崎市のいちばん集めました」では、建造物から、文化・スポーツ、食べ物まで、幅広い分野の〝いちばん〞が紹介されています。
建造物では、現存する日本最古の木造洋館「旧グラバー住宅」(1863年)、現存する日本最古の天主堂「大浦天主堂」(1865年)のほか、高島町端島(軍艦島)にある、現存する日本最古の鉄筋コンクリート(RC)造アパート(1916年)も。そのほか、「ダム式水道施設」(1891年)、「アスファルト道路」(1863年)など、あまり知られていないものもあります。文化・スポーツ関連では、「ジャンケン」(17世紀終わり頃)、「けん玉」(江戸時代)、「ボウリング場の開設」(1861年)、「バドミントン」(江戸時代)など。食べ物では、「ちゃんぽん」(1899年)、や「カステラ」(16世紀半ば)など長崎ならではのものも登場。来庁者からは、「これも長崎だったの!」と驚く声も聞かれます。
階段表示のサインを職員がデザイン
長崎市役所には、情報発信コーナー以外にも、来庁者を楽しませているものがあります。長崎市役所は地下1階・地上19階建てですが、「実は、エレベーターの奥にある階段を昇ると“長崎をPRするデザイン”に出会えるんです」(担当者)。
市は、新庁舎建設にあたり、階段の踊り場に掲示する階数のサインについて、職員からデザインを募集しました。募集にあたり、「長崎らしさが分かるもの」「階数が見えるようにシンプルなデザイン」を条件としました。
集まった約50のアイデアの中から採用されたのは20のデザイン。「路面電車」や「眼鏡橋」(石造二連アーチ橋)、「ちゃんぽん」(長崎市で生まれたソウルフード)、「ランタン」(長崎ランタンフェスティバル)などよく知られた長崎名物のほか、「ハト」(長崎市の鳥)、「ペンギン」(長崎ペンギン水族館)、「長崎びわ」(長崎の代表的な果物)や、しっぽの形が特徴的な「尾曲猫」など、地元を知るおまがりねこ職員ならではの発想が生かされています。
8階と9階をつなぐ階段表示は、平和祈念像と折り鶴。8月9日に結び付けて、平和への願いも込められています。そのほか、「カステラ」と「恐竜の歴史」を合わせた「カステラノサウルス」という、職員考案によるオリジナルキャラクターも見ることができます。
市では、「昇り降りするのは大変ですが、健康づくりも兼ね、長崎市のさまざまな個性に注目しながら歩いてみてほしい」と階段の利用を促しています。
月刊誌「広報」2025年9月号掲載