広報ライブラリー
えっ!死ぬとか生きるとか、知事命令? 滋賀県庁「死生懇話会」ドキュメント
公開日 : 2026年10月5日
著者:滋賀県総合企画部企画調整課企画第二係
出版:文芸社
発行:2025年2月
価格::1,650円(税込み)
行政のすべての仕事が「死生」につながる
「死生懇話会」は、「死生」をテーマに、滋賀県庁が開催した、外部有識者を交えた県民参加型の話し合いの場。「人生100年時代の到来とともに、多死社会を迎える中で、行政としても『死』について真正面から考えることで、限りある『生』をより一層充実させる施策につなげる契機とする」ために、令和2年度から7年度まで実施された。
本書は、死生懇話会を立ち上げるに至った経緯や、コロナ禍の期間に行政が真正面から「死」や「生」といった根源的なテーマを議論してきた経過、気づきなどをまとめた。企画調整課企画第二係でこの施策を担当した職員が自身の目線で語るドキュメンタリーになっている。
知事発案による新規事業に対して、前任からの引継ぎなど何もないところから始まった初年度。なぜ行政がこのテーマに取り組まなければならないのか疑問が残ったままだったが、前例がないのなら、逆に「楽しんで、自分なりのやり方でいこう」と決心すると、視界が開いていった。
死生観や仕事との関りについて聞いた職員アンケートの実施、職員参加による庁内ワーキンググループの発足、懇話会の委員に就任する外部有識者の選定やインタビュー…。庁内外のさまざまな立場の人に会い、死生への思いを聞き取っていった担当者は、次第に、死生懇話会を行うことの意義をつかみ始めていく。懇話会を重ねる頃には、「行政の仕事で『死』『生』に関係ない仕事なんてない」とまで思えるようになっていた。本書には、そうした担当者の心の変化や、その要因となった有識者や職員、関係者、知事などの言葉が綴られている。
懇話会は7年度で終了したが、「死生」をテーマにした関連の取り組みは継続。県サイトでは、これまで開催された懇話会の会議録や動画などを見ることができる。
月刊誌「広報」2026年9月号掲載