
広報ライブラリー
『デザインの基礎体力を鍛えるトレーニング60』
公開日 : 2025年7月4日
著者:鎌田隆史
発行:エムディエヌコーポレーション
発行:2025年4月
価格:2,200円(税込み)
論理的に理解することで 現場で役立つ知識を手に入れる
著者は「デザインの基礎を誰にでも分かるように解説する」をコンセプトとするメールマガジンを2008年から配信するなど“読んで学べる”デザインのコツや考え方を発信している。これまで著した『センスがないと思っている人のための読むデザイン』(2021年、旬報社)や『プロだけが知っている届くデザイン』(2023年、同)も、ほぼ文章だけで、デザインの本質や上達法を伝えてきた。
著者にとって3冊目となる本書は、より具体的なデザイン技法を盛り込みつつも、文章による解説を基本に、読んで理解するデザイン本となっている。
「例えば『デザインには余白が大事』など、どこにでも書いてあるような結論をただ伝えるのではなく、『何故、そうなのか?』の根拠をより理解していただけるよう、文章を中心に論理的に説明するよう心がけました」(はじめに)。そのねらいは、「素晴らしいデザインを目にしても、どういう意図で…どういう手法を使いそのデザインが作られたか? 根拠や狙いまでを理解しない限り、自分のデザインに活かし再現することは難しいからです」(同)
「根拠」や「コンセプト」と聞いて難しく感じてしまう人もいるが、「簡単に言えば、デザイン全体・色・レイアウト・フォントと、すべてが大体同じ方向を向いているか? 心がけるようにしていれば、必ずできます」(第1章)と語る。
「デザイン」「レイアウト」「色」「フォント」「写真」の5章構成で、デザインの基本原則を60テーマに分けて解説。「『揃える(整列)』というルール」「『グレー』という魔法」「ゴシック体と明朝体の特徴をまず知ろう」「フレーミングを使いこなす」など、広報紙編集者がぜひ身に付けたいテーマが並んでいる。
- 月刊誌「広報」2024年5月号紹介