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広報ライブラリー

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『新聞記者がネット記事をバズらせるために考えたこと』

公開日 : 2025年9月2日

著者:斉藤友彦

発行:集英社新書

発行:2025年2月

価格:990円(税込み)

 

読者が変われば伝え方も変わる― デジタル時代の文章術とは

著者は共同通信社の記者で、社会部などで長年活躍してきた。2021 年からはデジタルコンテンツ部の担当部長として、「47NEWS」の長文記事「47 リポーターズ」などを編集、配信する。
新聞社で記者は、いわゆる“逆三角形”といわれる記事の書き方をたたき込まれる。読者に伝えるべき最も大切なニュースの内容を記事の前に持ってくるため、重要な要素は第1 段落に書かれている。これは「リード文」とも呼ばれ、リードさえ読めば記事内容が把握できるようになっている。こうした記事の書き方は、新聞製作を参考に発展してきた自治体の広報紙づくりにも浸透している。
その新聞スタイルに著者が疑問を持つようになったのは、デジタルコンテンツ部に異動したときから。デジタル向けに記事を公開しても、「まったくといっていいほど読まれない」。記事は分かりやすく良質なものばかりなのに、なぜか。
ここから著者の悪戦苦闘が続く。多くのデジタル記事を読みながら、どういった内容や書き方の記事が、いわゆる“バズっている”のかを分析した。「共感」「ストーリー性」などそれら記事に共通する要素が明らかになると同時に、新聞スタイルの限界も感じた。いわゆるZ 世代による評価では、「そもそも長文は読まない」といった意見から、「最初(リード)から重すぎる」「カギカッコが読みにくい」といった意外な反応まで紹介し、著者も「目が覚めた」と語っている。
ではどうすれば、デジタル読者のニーズに添うような記事を考え、配信することができるのか。本書では、こうした試行錯誤の末にたどりついた書き方のポイントなどを紹介する。

  • 月刊誌「広報」2024年7月号掲載

 

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