自治体広報トピックス
ボランティアに関する適切な表現を提案
日本ボランティアコーディネーター協会
公開日 : 2026年8月20日
地域や社会の課題に向き合う多様な取り組みとして広がり、多くの人々の支えとなっている「ボランティア活動」。活動を伝える報道などにおいて、使われる言葉や表現によっては、活動の本質が十分に伝わらなかったり、当事者の気持ちが意図せず損なわれてしまったりすることがあることから、認定特定非営利活動法人日本ボランティアコーディネーター協会では、パンフレット『ボランティアに関する報道にあたってのお願い~その表現、適切ですか?~』を作成し、報道機関や関係団体などに配布しています。今年4月に発行されたパンフレットでは、「ボランティア派遣」と「ボランティア活用」の表現について、これらに代わる表現を提案しています。
問題点を説明し適切な表現を提案
同協会では2025年4月に、「奉仕」と「慰問」の表現について取り上げたパンフレットを作成しており、今回のパンフレットはその続編。
パンフレットでは「派遣」という表現について、「その表現によってボランティアを従属的存在にしてしまいませんか?」と問いかけ、「災害など現地で活動するボランティアに対しては、『派遣』ではなく『参加支援』『送り出し』『紹介』などの表現を使いましょう」と提案しています。
「派遣」という表現の問題点として、「『派』には派出や派兵のように『一部を分けて行かせる』の意味があり、『遣』は『つかわす、差し向ける』の意味であり、『派遣』は『ある任務を負わせ、命令して一時的に差し向けること』」になるとし、「誰かに命じられるかどうかにかかわらず自ら主体的に行動を起こしたり、現地に赴いたりする人たちがボランティアですから、そのボランティアに対して『派遣する』という表現を使うことは適切ではない」と説明しています。
その上で、あくまでも自発的な参加の後押しである「送り出し」や「紹介」「参加支援」といった表現の積極的な活用をすすめています。
「ボランティアの活用」という表現についても、「ボランティアは、誰かに『活用される』存在ではありません」とし、「ボランティアはより良い社会をつくる『主体』であり、『活用』される資源ではありません。ボランティアの力を『活かす(生かす)』『促す』『促進する』『活発に活動できる環境を整える』などの表現を使いましょう」と提案。「活用」や「用いる」という言葉の問題点を指摘した上で、「ボランティアの力を『活かす(生かす)』や、ボランティアの特性が発揮されるように『促す』『促進する』」などの表現をすすめています。
パンフレットでは「ボランティア」という言葉の意味について、言葉の由来のほか、自発性(自主性)、社会性(公益性・公共性)、無償性の3要素について改めて解説。中でも重要な「自発性」について、「機動性を生み出す」「『温かさ』を生み出す」など、ボランティア活動の長所を表す源泉として紹介しています。
月刊誌「広報」2026年8月号掲載