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自治体広報トピックス

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生成AIとの対話にストレスがある人は対人でも同じ傾向に〜「デジタル時代のコミュニケーションにおける実態調査」

公益財団法人日本漢字能力検定協会

公開日 : 2025年12月3日

公益財団法人日本漢字能力検定協会が実施した調査によると、生成A I利用時に期待した結果が得られないなど生成AIとの対話に「ストレスを感じることがある」と回答した人の8割以上が、人とのメールやチャット等のデジタルコミュニケーションや直接会話する対面コミュニケーションにおいても、ストレスを感じていることが分かりました。
デジタル時代のコミュニケーションにおける実態調査は、全国の20代〜50代の男女1000人を対象に、2025年8月の二日間、インターネットにより実施されました。
デジタル機器と生成AIの利用状況について、1日にデジタル機器(パソコン、スマートフォン、タブレット、携帯電話)を利用する時間を聞いたところ、90.4%が毎日利用していました。また、仕事や日常生活で生成AIを利用したことがある人は44.7%で、利用したことがある人のうち、利用目的で最も多かったのが「情報収集」の51.7%、次いで「文章要約」46.8%でした。
生成AIの利用時のストレスについて聞いたところ、「ストレスを感じたことがある」(よくある・たまにある)と答えた人は、「生成AIを利用したことがある」人のうちの68.0%でした。また、ストレスを感じたことがある人に対して、その理由を尋ねると、最も多かったのは「期待した回答が得られない」の70.7%で、次いで「どのように問いかけていいか分からない」25.3%、「出てきた結果が信用できない(明らかな間違いがある)」24.7%でした。
また、仕事上のメールやチャットなどのデジタルコミュニケーションに「ストレスを感じることがある」(よくある・たまにある)と答えた人は50.7%で、ストレスの理由と50して最も多かったのが「文章が冗長で理解するのに時間を要する」で37.3%、次いで「自身の意図が相手に伝わらない」33.3%でした。
一方、仕事上の対面コミュニケーション(上司や部下、同僚との会話)においてストレスを感じる人は全体の60.0%で、その理由として最も多かったのは、「相手の話の流れがみえず、意図や結論が分からない」で37.7%、次いで「自身の意図が相手に伝わらない」36.8%でした。
生成AIに対するストレスの有無と対人コミュニケーションでのストレスの関係について、生成AIの利用時にストレスを感じる群とストレスを感じない群に分け、それぞれデジタルコミュニケーションや対面コミュニケーションにおけるストレスの有無に違いがあるかを比較しました。
その結果、AI利用時にストレスを感じる人のうち、デジタルコミュニケーションにおいてもストレスを感じる人は86.2%であるのに対し、AI利用時にストレスを感じていない人のうちデジタルコミュニケーションにおいてストレスを感じている人は40.6%と45.6ポイントの差が生じていました。同じく、対面コミュニケーションについても比較したところ、AI利用時にストレスを感じる人のうち、対面コミュニケーションでもストレスを感じている人は84.9%であるのに対し、AI利用時にストレスを感じていない人は61.5%と、こちらも 23.4ポイントの差が生じていました。
これにより、AI利用時にストレスを感じたことがある人は、デジタル、対面どちらのコミュニケーションにおいてもストレスをより感じている人が多いことが分かりました。
同協会では、こうした理由について、言葉で「伝える力」、言葉から「読み取る力」というコミュニケーションに不可欠な能力の不足があると推察しています。

 

月刊誌「広報」2025年11月号掲載

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