自治体広報トピックス
関係人口は18歳以上の2割超 「地域との関わりについてのアンケート」調査
国土交通省
公開日 : 2026年2月25日
国土交通省が実施した「関係人口」に関する実態把握調査で、全国の18歳以上のうち、2割強の人が「特定の地域に継続的かつ多様な形で関わっていると推計される」ことが分かりました。関係人口とは「移住や観光でもなく、単なる帰省でもない、日常生活圏や通勤圏以外の特定の地域と継続的かつ多様な関わりを持つ人」のこと。調査では、関係人口を「訪問系」「非訪問系」に大別するとともに、関係人口(訪問系)の関わり先の地域における過ごし方(地域との関わり方)等を踏まえ、直接寄与型や参加・交流型など五つに分類し定義しています。地域による関係人口への期待は大きく、自治体では関係人口の創出・拡大を図るための取り組みを進めています。
調査は、全国18歳以上の男女を対象に、令和5年9月から10月にかけてインターネットによるウェブアンケートで実施(一次調査で12万サンプル、二次調査で4万サンプルを回収)。調査対象地域の母集団をもとに拡大して算出しています。
訪問系を五つに類型
全国18歳以上の居住者に占める関係人口の割合は、「訪問系」が18.3%(1884万人)、「非訪問系」が3.7%(379万人)で、訪問系と非訪問系を合わせて22.0%(2263万人)という推計結果となりました。全体の約4分の1が特定の地域と関わりがあることが分かりました。
「訪問系」は、「日常生活圏、通勤圏、業務上の支社・営業所訪問等以外に定期的・継続的に関わりがある地域があり、かつ、訪問している人」で、単なる帰省などの地縁・血縁的な訪問者を除きます。「非訪問系」は、「地域を訪問せず、ふるさと納税、クラウドファンディング、地場産品等購入、特定の地域の仕事の請け負い、情報発信、オンライン交流等を継続的に行っている人」を指します。
また、「訪問系」は、「直接寄与型」(地域の産業創出/地域づくりのプロジェクト企画・運営・協力/マルシェへの出店/など)、「就労型(現地就労)」(地元企業での労働/農林水産業への就業やサポート/など)、「参加・交流型」(地域の人との交流やイベント、体験プログラム等への参加/など)、「就労型(テレワーク)」(訪問地域外での本業や副業を訪問先で行うテレワーク)、「趣味・消費型」(地域での消費活動や趣味活動を楽しむ)の五つに類型して調査しています。
訪問系を類型別にみると、「趣味・消費型」が最も多く711万人(6.9%)。次いで、「参加・交流型」が485万人で4.7%、「直接寄与型」が437万人で4.3%、「就労型(テレワーク)」が145万人で1.4%、「就労型(現地就労)」が105万人で1.0%という結果でした(複数回答)。
訪問系の年間訪問日数は、「1日以下/年」が20.0%、「2〜7日/年」が48.9%、「8日以上/年」が31.1%で、「2〜7日/年」が最も多いという結果でした。類型別にみると、「就労型(現地就労)」「就労型(テレワーク)」は、「8日以上/年」が約半数で、他の類型に比べて年間訪問日数が多いという結果でした。
関わり先別でみた、居住人口当たりの関係人口(訪問系+非訪問系)の割合は、北海道、東北地方、山梨県、長野県、京都府、佐賀県、宮崎県で、比較的高くなっています。
半数が関わりのある地域がある
「関わりのある地域の有無」を聞いたところ、「関わりのある地域がある」が52.5%、「関わりのある地域はなし」が47.5%と、約半数が、関わりのある地域があると答えました。
その関わり方では具体的に、「地域ならではの飲食や買い物(地場産品の購入)、自分の趣味や地域の環境を楽しむため」が最も多く、全体の23.4%でした。次いで「お盆や正月に帰省を行っている」18.7%、「地縁があるまたは血縁者のいる地域に訪問している(お盆や正月の帰省を除く)」13.3%、「ふるさと納税によって、特定の地域を継続的に応援している」8.6%の順でした。
また、今後関わりを持ちたいと思っている人の、関わりを持つための改善点では、「仕事やプライベートでの時間的な余裕の確保」「移動や滞在に伴う金銭的負担の軽減」「地域へ行くための交通の利便性の改善」が多い結果となりました。
訪問系で、「地域を訪問することになったきっかけ」を聞いたところ、「親族、友人.知人が住んでいる、住んでいた」が35.6%で最も多く、次いで、「観光、レジャーで訪れたことがある」25.2%、「かつて住んでいた・職場や学校に通っていたことがある」19.4%の順でした。
地域に関わり始めてからの年数では、「30年以上」が21.4%で最も多く、次いで「3年〜4年未満」16.9%、「5年〜10年未満」16.7%の順でした。年代別では、35歳以上は「30年以上」が最も多く、18〜34歳は「3年〜4年未満」が多くなっています。地域への訪問頻度は、「年に数回」が34.1%で最も多く、次いで「月に1回程度」16.6%、「月に数回」16.2%となっています。「地域での過ごし方」は、「地域ならではの飲食や買い物(地場産品の購入等)」(33.3%)、「自分の趣味や地域の環境を楽しむ活動」(33.1%)がともに3割を超えました。
「地域との関わりを持っている理由」を聞いたところ、「楽しい、リフレッシュできる」が39.4%で最も多く、次いで、「家族の事情や地域との関係性がある」25.7%、「地域に対して愛着を持っている」23.9%、「気の合う仲間や知り合いがいる」23.7%の順となっています。これを年代別でみると、65歳以上は「気の合う仲間や知り合いがいる」が他の年代に比べて高いという結果でした。
地域との関わりを持っている理由について、類型別では、「直接寄与型」は「楽しい、リフレッシュできる」「気の合う仲間や知り合いがいる」「地域に対して愛着を持っている」が多く、「参加・交流型」、「趣味・消費型」も同様の傾向となっています。一方、「参加・交流型」、「趣味・消費型」では「家族の事情や地域との関係性がある」も比較的高いという結果でした。
訪問系の2割で移住意向あり
訪問系に関して、「訪問先地域への移住意向」を聞いたところ、「いつかは移住したいと考えている」6.1%、「近い未来に移住したいと考えている」14.4%で、約2割で移住意向がありました。一方、「移住したい気持ちはあるが、現実的ではないと感じている」は25.3%、「移住したいとは考えていない」は54.2%でした。類型別では、「直接寄与型」が35.7%で最も移住意向が高く、地域との結びつきの強さが表れています。
移住したいと回答した人の「移住したいと思う理由」は、「住環境に魅力を感じる」が30.6%で最も高く、次いで「自然環境が豊かである」28.8%、「親族の近くに住むのが便利である」25.1%となっています。類型別では、「就労型(現地就労)」以外は「住環境に魅力を感じる」が高く、「直接寄与型」は「地域コミュニティやつながりに魅力を感じる」、「就労型(テレワーク)」は「都市機能が充実している」「通勤・通学に便利、進学・転職・起業に有利である」も高い結果でした。
関係人口の非訪問系に関して、「関わりのある地域」は北海道が圧倒的に多く、次いで東京都、福島県となっています。非訪問系で、「関わり始めてからの年数」は「1年〜2年未満」「2年〜3年未満」「5年〜10年未満」が比較的多くなっています。
非訪問系で、「関わり始めたきっかけ」は、「出生・出身、居住経験、地縁・血縁があり、馴染みがあった」の26.7%が最も多く、次いで「観光・仕事・学校行事で関係のある地域だった」「地域に対して憧れや好感、関心、共感を持った」の順になっています。
「今後も訪問しない理由」としては、「特に理由はない」が44.4%で最も多く、次いで、時間的な負担が大きい」23.3%、「経済的な負担が大きい」21.6%の順でした。年代別では、65歳以上で「体力的な負担が大きい」が他の年代に比べて高くなっています。
月刊誌「広報」2026年2月号掲載